韓ドラ そら豆のブログ

韓国ドラマ ブログ / 視聴済み韓国ドラマの感想 あらすじ 評価(星7つ満点) ほぼネタバレなしでご紹介します

韓国ドラマ「マザー~無償の愛」感想 あらすじ  名作とはこのドラマ

生まれる、育つ、人と人とが出会う奇跡

こんな素晴らしい韓国ドラマに出会えたのも奇跡

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出典  tvN  「マザー」 公式ポスター

演出 キム・チョルギュ「ファン・ジニ」、ユンヒョンギ ・「告白」
脚本 チョン・ソギョン(映画の実力脚本家) 

 

マザー~無償の愛 (全16話)

★★★★★★★ 星7つ 満点

韓国放送 2018年1月~3月  tvN

韓国語表記 마더

原題 Mother

 

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ネタバレはないつもり

あらすじ

鳥類研究家カン・スジン(イ・ボヨン)は女優チャ・ヨンシン(イ・ヘヨン)の養女。スジンは養母を避け音信不通、感情のクールな女性だった。研究所が閉鎖になり仕方なく、小学校で教師をする。

産休の担任に代わり、スジンが臨時で受け持ったクラスの女の子キム・ヘナ(ホ・ユル)が、母親の同棲相手の男性から虐待を受けている様子がうかがえた。他の女性教師が見かねて、児童相談所や警察に報告しても、法律の限界を言い訳にして動かない。

 

スジンは鳥類研究で念願のアイスランドへ旅立つことに。心にヘナが引っかかり家に寄ると、捨てられたヘナがいた。その後2人で海へ行き、渡り鳥を見る内、法律通り母親にヘナを返せば、ヘナの命が危ないと悟るスジン。自由な鳥のように2人で一緒に飛び立てないかと考える。そして、渡り鳥のような逃亡生活を送ることに…。

ヘナの実母シン・ジャヨン(コ・ソンヒ)と彼氏ソラクはヘナが海で行方不明になると、ヘナが見つかって自分たちの虐待が明らかになることを恐れる。

一方、ソジンの養母ヨンシンは癌で余命幾ばくもなく養女で長女のスジンを探していた。

(2019.そら豆)

 

感想

体内コンパスを持つ渡り鳥は、迷わず目的地に辿り着く本能が備わっています。青い空と青い海にくっきり広がる地平線に向かって、真っ直ぐ目的地へ向かう その姿は潔く、自由で。

孤独な先生スジンと居場所のないヘナには、自らの意思で飛び立つ鳥が希望に見え。空を仰いで越境[エッキョウ]を夢想する2人の背中が印象的でした。

 

タイトルのMotherは、娘と血縁がある、ないなどは関係なく。次の5人の母親の総称です。

  1. イ・ボヨンが演じた カン・スジン
  2. スジンの養母 チャ・ヨンシン
  3. スジンの母 ナム・ホンヒ
  4. 少女ヘナの実母 シン・ジャヨン
  5. 孤児院「愛の家」の先生 クララ 

全く異なる母性が次々に登場し、比較せずにはいられません。

 

主要登場人物は全員女性。か弱い女性が、マザーの称号を子どもから与えられ。その瞬間から弱いことこそ罪となり。ただ子どもを愛して、歩みを止めることは許されない責任を負う。

「Mother」というタイトルは、いろいろな意味の複合です。

 

無償の愛とは見返りを求めずに相手に捧げる愛情。自己犠牲とも言えますよね-。このドラマでスジンは、ヘナに見返りは求めていませんが。2人は互いに必要な人って感じでした。

他に出てくる母娘関係も同様で。お互いが求めあうなら、無償とは言えず。~無償の愛←こんな邦題を付ける必要はなかったのです。

韓ドラの邦題には言いたいことがあるけど、それは置いといて。(もう言っちゃったけどね)

 

スジンがヘナを救い導く代わりに、スジンもヘナに救われ導かれ。宝物のようなヘナとの出会いで、過去に放置していた自身の感情を成長させ。ヘナを愛情深く守るスジンの姿は、堂々としたマザーでした。

渡り鳥を絡ませたストーリーが秀逸で、自由と引き替える代償もきちんと提示され。

ただ悲しい、可哀想だから泣けるとかではなく。行動の動機に至るまでも繊細に描写され、知らず知らずに涙が溢れます。

 

全員が過去を振り返り、傷を癒やし成長するドラマで。スローモーションに静かな音楽が重なり、マザーたちの震える手が物語る。1話目から名作のニオイがしますよ~。是非、1話だけでもご覧になってください。 

 

キャスト

カン・スジン役 イ・ボヨン

スジンは自分にヘナを重ねますが、人生を捨ててまで「マザー」になるのは相当の覚悟だったと思います。虐待されている子を見て可哀想だからと、さらって育てるのは違法ですが。ドラマを見ていると正義はどちらにあるのか?スジンやヘナの感情も理解出来るし。一概に善悪で断罪できないドラマでした。

イ・ボヨンは、今まで観たドラマでは一番役に合っていたと思います。

 

キム・ヘナ役 ホ・ユル

「百想芸術大賞」で作品賞を受賞したドラマですが、ホ・ユルは、演技派美女優たちを押しのけ新人賞も受賞。なんてことない素朴な普通の女の子ですが、自然な演技が名子役。話し方、目、表情が、そのシーンに完璧に溶けこんでいました。400倍のオーディションを勝ち抜いただけあり、幼い中に成長まで演じ、凄すぎです。

 

スジンの養母 チャ・ヨンシン役 イ・ヘヨン

上品で美人なイ・ヘヨン、声のトーンが心に響きます。しかも女優役、存在感が半端ない(↓写真真ん中)。「私の心が聞こえる?(←★7)」でもヤバイ演技力でしたが、今回も彼女の出演で作品の価値が上がりました。

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出典  tvN  「マザー」 公式ポスター

 

チョン・ジノン役 イ・ジェユン

ヨンシンの優しい担当医師で紳士的。スジンと出会い・・・。

 

イ・チャングン刑事役 チョ・ハンチョル

しつこい刑事だけど、相棒共に人間くさくて好きでした。探るような目つきがガチの刑事っぽい。

 

 

日本ドラマ 韓国リメイク作品

皆さんご存じだとは思いますがこのドラマは、2010年放送、松雪泰子と芦田愛菜「Mother」 のリメイクです。しかし、日本版には登場しない殺人犯や、医師役のイ・ジェユンが絡み、意外な展開に、ほんのりラブもあり。エンディングも凝っていて韓ドラ風味。私は両方観ましたが、やはり韓国ドラマの方が面白かったです。

 

最後に

虐待されている子どもの話だし、痛ましいシーンもある。日本ドラマのリメイクだよね、暗いよね、って視聴を避ける気持ちは分りますが。あまり話題にならないのが不思議なくらい、観て良かったと思えるオススメの韓国ドラマです。

1話1話丁寧に作り込まれたストーリーと、キャストの感情に響くような慈愛が満ち。奥深いストーリーが琴線にふれて、私は涙腺崩壊でした。

 

母が逃げれば子が追い、子が逃げれば母が追う。深い愛情も一歩間違えば押し付け。このドラマでは、母娘がお互いの意思を尊重する優しい内容なのも、観る人を惹きつける要因なんだと思いました。

 

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