シン・ヘソン主演の爆笑ラブコメ フュージョン時代劇
実力派の男性シェフが…朝鮮の王妃に?
首都圏視聴率 初回8%台→最終回で18%を記録したヒット作
出典 tvN公式ポスター
演出 ユン・ソンシク 「花郎〈ファラン〉」, チャン・ヤンホ
脚本 パク・ゲオク 「ドクター・プリズナー」、チェ・アイル 「マイ・デーモン」
原作 中国ドラマ 「太子妃狂想曲(ラプソディ)」
哲仁王后[チョルインワンフ] (全20話)
★★★★★★★ 星7つ 満点
読み方 チョルインワンフ,てつじんおうこう(ちなみに「哲人王后」ではない)
韓国放送 2020年12月~2021年2月 tvN
韓国語表記 철인왕후
英語表記 Mr. Queen
視聴方法 Netflix
スポンサーリンク
ほぼネタバレなし
あらすじ
青瓦台専属の俺様シェフチャン・ボンファン(チェ・ジニョク)は、料理に針を入れた嫌疑で警察に追われ。高層アパートからプールへ転落、気づけばそこは朝鮮時代だった。
タイムスリップした先で彼の魂が入ったのは、若い女性キム・ソヨン(シン・ヘソン)の身体。仰天し、現代に戻ろうとの努力むなしく。王の妃として嫁ぐことになる。
王の哲宗が愛する側室ファジンに、シェフのボンファンは片思いするのだが(見た目は女 中身は男)。王妃の姿では思い届かず(当たり前)、むしろ宮廷でファジンに警戒される。
(2021.そら豆)
感想
噂には聞いていましたが・・・・
( *^艸^)めちゃ面白い!
①現代の男性が ②王妃になる って、それだけでもなかなかのユニークなW設定ですが。シン・ヘソンの挙動不審な男性演技に爆笑!本当にチェ・ジニョクが中に入っているみたい。
王に嫁ぐタイミングで中身が男に入れ替わる…彼はそれを隠そうとしないから、宮廷では完全に不思議ちゃん。周囲は不審がるどころか、“なんか面白い王妃”として王宮全体で受け入れていく。外見が王妃では受け入れざるを得ないけど。
女官や宦官が変な王妃に真面目に対応!
「ノータッチ!」などの現代用語に王が困惑!
全力疾走でかけぬける王妃を皆が追う!
全20話、最初はそんなギャグばっかりのコメディかー?と思うけど、ちゃんと時代劇らしく宮廷勢力の筋もあり。だんだんそちらの話に傾いていきます。
真面目な政治話に、コミカルな王妃がとんでもないことをやらかしに来て妙な展開に。1人笑える存在が君臨しつづけるから(主役です)、時代劇が苦手な人でもこれなら完走できるのでは?と思いました。
垂簾聴政[スイレンチョウセイ]で大王大妃派のキム一族がのさばっている宮廷。傀儡[カイライ]王・・・実は才能をかくして弱者を装っている強い王という、そのへんも興味深く。
ただ、全話爆笑~なわけではなく。政争が長い時もあり、そこは普通の時代劇。一番の悪役の眠そうな無表情と抑揚のない声が続くところだけウトウト。
しかし、その弱点をしのぐほど、シンヘソンの神演技が圧倒的なんです!中身が男性ではラブに萌えないし……どうするの?と思っていたら、脚本がうまくてなるほどーってなる。全話観終わると、これは「屋根部屋の皇太子(★7)」&「イニョン王妃の男(★7)」以来の、時空ラブコメ時代劇だーと思いました。
ムリのある設定のわりに、シン・ヘソンの神演技+ストーリーも自然な流れです。ボンファンが王妃の身体で、周囲の胃袋をつかんでいくあたり現代から料理人が行った甲斐もある。過去人の味覚はどうなの?と少し自信なさげなのもかわいいいです。
哲宗と時代背景
今作は、王妃側 キム一族 vs 宜嬪[ファビン]側 チョ一族
2大勢力あらそいの話
哲宗 チョルジョン・てっそう
- 李氏朝鮮の第25代国王(在位1849-1863年)
- 江華島で暮らす→宮廷へ→19歳で朝鮮国王に即位
- 養母の純元王后が垂簾聴政・身内と婚姻させる←(これが哲仁王后)
- 3年後、やっと哲宗の親政
- しかし、安東金[キム]氏一派の権力濫用で政治が荒れまくる
- 民衆の間で飢餓が蔓延→反乱
- 苦痛からキリスト教が全土に拡散
哲宗は、キム一族に王朝を乗っとられ、大王大妃に垂簾聴政(=王に代わり摂政)を余儀なくされました。キム一族に権力をにぎられても放置。民衆はまずしく・・・つまり、史実ではキム一族の横暴をとめられなかった愚鈍な王です。
ドラマでは表向きぼんくらでも、実は機会をうかがう怜悧な王。
OST
どの曲も素晴らしく。特に印象に残ったのがこちら。爆笑シーンもあれば、こういうしっとりとした場面も多かった。
ネタバレぎりぎりなし
www.youtube.com Here I am - Jo Hyun Ah (조현아) | OST Part 3 Mr. Queen (철인왕후)
秀逸なドラマに良曲はつきものですねー。
キャスト など
※青が演じた役者で年齢はドラマ公開当時
主要キャスト
王妃↙ キム・ソヨン
哲宗の王妃、琴の名手で料理人?外出時にはイ・センマンと名乗る
シン・ヘソン 年齢31歳、身長173㎝
出演ドラマはどれも面白く、今回も独特のキャラで引っ張っていました。韓国長身俳優と並ぶと気づきませんが、意外と身長が高い。
出演作品 「秘密の森」,「黄金の私の人生」,「30だけど17です」,「死の賛美」,「ただひとつの愛」,
出典 tvN公式
哲宗↗[チョルジョン]=イ・ウォンボム
朝鮮第25代王イ・ビョン、江華島から連れ戻されて傀儡王に
キム・ジョンヒョン 年齢30歳、身長183㎝
あまり表情がないのがコミカルで笑えます。視聴後にじわじわくる不思議俳優。この役も当たり役ですね。「愛の不時着」のク・スンジュン役もよかったー。
出演作品 「嫉妬の化身」,「恋するレモネード」,「ウラチャチャMy Love」,「時間」,「愛の不時着」
宜嬪↙[ファビン] チョ・ファジン
哲宗[チョルジョン]の側室
- 女官 オウォル(キム・ジュヨン)
ソル・イナ 年齢25歳、身長167㎝
キレイな女優で声がいい、シン・ヘソンの迫力にちょっと負けてた(誰も勝てない)。
出演作品 「力の強い女ト・ボンスン」,「恋するレモネード」,「チェックメイト」,「愛はビューティフル、人生はワンダフル」,「青春の記録」,(見事に全部そら豆のレビューがない…)
出典 tvN公式ポスター
キム・ビョンイン↗
キム・ジャグンの養子、キム・ソヨンの従兄、義禁府判書[ウィムブパンソ]
ナ・イヌ 年齢26歳、身長188㎝
この人カッコイイです。強くてステキ♡ でも、なぜか今までのドラマでちょい役ばっかり。こんなステキ俳優、今回やっと重要な役に抜擢されてよかったです。
出演作品 「輝くか、狂うか」,「黄金のポケット」,「花道だけ歩きましょう」,
その他のキャスト
チャン・ボンファン↙︎ (チェ・ジニョク)・・・青瓦台専属シェフで、兵役(炊事兵)済みの男性魂が朝鮮王朝へタイムスリップする。
ホン・ヨン↓(チェ・ソウン)・・・中殿の女官、19歳
出典 tvN公式
チェ尚宮↗︎(チャ・チョンファ)・・・中殿のオモシロ尚宮
マンボク↗︎(キム・イングォン)・・・・水刺間[スラッカン]の待令熟手[テリョンスクス]
王妃側 安松[アンソン]キム一族
純元[スンウォン]王后↙︎(ペ・ジョ ンオク)・・・大王大妃、哲宗の養母、美容に命がけ
出典 tvN公式
キム・ジャグン↗︎(キム・テウ)・・・訓練隊長、純元王后の弟、政治腐敗の根源
キム・ムングン(チョン・ペス)・・・国舅[コッキュウ]、府院君[プウォングン]、王妃の父親
キム・ファン(ヨンジェ年齢26歳、身長178㎝/B.A.P)・・・チャラい、王妃の従弟
キム・ビョンハク(ソン・グィヒョン)・・領議政、悪徳代官
キム・ソックン(カン・ジフ)・・・左議政、悪徳代官
キム・チャンヒョプ(ソン・グァンオプ)・・・兵曹判書、悪徳代官
サルス(キム・バンウォン)・・・顔に傷のある内官、キム・ジャグン配下
キム一族について
不正を重ねて朝鮮を食い荒らした“三政の紊乱[ビンラン]”安松キム一族。
ドラマにもキム氏がずらずらと出てきます。韓国では有名な一族らしく。ボンファンも知っていました。(私は知らん)
王・宜嬪[ファビン]側 豊安[プンアン]チョ一族
チョ大妃(チョ・ソンジュ)・・・前王・憲宗[ホンジョン]母
ホン・ドゥイル(イ・ジェウォン)・・・・ホン別監、御営庁(首都防衛)、王の配下
永平[ヨンピョン]君(ユ・ミンギュ)・・・哲宗の異母兄、王の配下
チョ・マンホン(コ・インボム)・・・・右議政
チョ・トクムン(キム・グァンシク)・・・吏曹判書
キャストの感想
意外とイケメンがいるのも楽しく、美形がいればそら豆もサクサク視聴。周囲の脇役者たちが、(多分笑いをこらえて)真面目に演技しているのを見て。
(〃゚∀゚)よく吹かずに我慢できるよねー、と妙な感心。
王妃の中身はおっさんで。
カワイイお姉ちゃんが大好きだとか。王様の側室募集も自分のハーレムのためだとか。これでは王様とのラブなんてほど遠いんだけど、
ちゃんとラブコメなんです!
王妃ボケる→チェ尚宮がツッコむ、が出来あがっていて。コメディのチームワークが完璧でした。なんていうか…王妃との会話はみんなと噛み合っていないのに成立するのがギャグで😂 心の声はチェ・ジニョク、表情を演じるのはシン・ヘソン。それがもう合いすぎるくらい合っていて笑えてくる。
男前なしぐさなどは、チェ・ジニョク魂を研究したうえでの王妃シン・ヘソン面白おっさん演技。
シン・ヘソンの演技がオモシロすぎたので、それを受けるキム・ジョンヒョンの淡々とした演技が合っていました。史実では哲宗がそういうやる気のない王だしね。(褒めてます)
最後に ラブコメ好きもOK
どうしたらコロナ禍で、こんなおもしろい作品を制作できるのか。韓国人の本気を見たって感じです。シン・ヘソンの真面目な顔でコミカルな演技がホント面白い。上品でも下品でもなく、そのへんも絶妙で。こんな奇抜な役なのに、ネットでも好感しか出てきません。
ところで、このドラマの脚本家 パク・ケオク作家は、あの歴史歪曲騒動で放送中(2回目)で打ち切りした「朝鮮駆魔師」 の作家でもあります。「哲仁王后[チョルインワンフ]」の脚本が面白かっただけに、それも観たかった・・・残念。
このドラマはフィクションです と出るたびに
「当たり前・・・これが現実であってたまるもんか」
とつぶやきましたが。その経緯があったためですね。フュージョン時代劇と言ってしまえば、歴史考証などどうでもいいと思いますが。韓国ではそうもいかないようです。
前半、魂が男性で・・・ラブコメってどうするの~と考えていましたが。よく考えたら、魂に男女の区別はないんですよね。性差は身体(うつわ)の話で、中身には関係ない。こんな話よく思いつきますよ、ほんと。
どう終わるんだろ?と、私は凄く興味がありました。是非、ラストはご視聴でお確かめください。 当ブログは、ラストのことは一切ふれないネタバレなしブログなんです。鉄壁!←(実は言いたいw)
娯楽としてのコメディを楽しみたい人に絶賛オススメします。
文句なしの満点ではなく、★6と迷っていますが。脇が弱いな…も、主役が強烈だからわざとそうしてある⁉️と思い至り★7としました。神ドラマと言うよりシン・ヘソンの神演技に満点(チェ尚宮も!)。
多くの方にご視聴していただきたい作品。
ラブコメ好きの同僚マユが、これ貸してーと言ってきました。
→感想「面白くなかった」そうです(^_^; ワガママ マユチャン…
期待しすぎた、好みのイケメンがいなかったのが理由とのこと。
そんなわけで、合わない人もいます!お気をつけくださいね。
参考文献
哲仁王后 (テレビドラマ) - Wikipedia
哲宗 (朝鮮王) - Wikipedia
純元王后 - Wikipedia
スポンサーリンク