朝鮮が日本の植民地だった時代を舞台に
天才劇作家とソプラノ歌手の恋の実話を忠実に描いた単発ドラマ
出典 SBSメインポスター
演出 パク・スジン 「ドクターズ」,「あなたが眠っている間に」,「浪漫ドクターキム・サブ」の共同演出
脚本 チョ・スジン 「恋のゴールドメダル~僕が恋したキム・ボクジュ」,「マッド・ドッグ」
死の賛美 (全3話) 約180分間
★★★★★☆☆ 星5つ
韓国放送 2018年11月~12月 SBS
韓国語表記 사의 찬미
視聴方法 Netflix
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ネタバレ少しあります
あらすじ
1926年8月4日 午前4時関釜[カンプ]連絡船徳寿丸。
船の甲板に残された男女の靴を見て、慌てて吹いた船乗りの笛の音が広大な海上に空しく鳴り響いた。
その日から5年前の1921年東京、美しい歌声のソプラノ歌手ユン・シムドク(シン・ヘソン)と、戯作家の苦学生キム・ウジン(イ・ジョンソク)は出会い、ほのかに惹かれ合う。
2人の恋は実らず1926年現在、ウジンは実家のサンソン合名会社を継いで社長に就任していた。ソプラノ歌手として地味に稼ぐシムドクと再会し2人の恋が再燃する。
そんな中、貧しい家族を金銭的に背負うシムドクは家族のために他の男性との結婚を考えようとするのだが・・・。
(2020.そら豆)
感想
イ・ジョンソクが初めて時代劇に挑戦、しかもノーギャラで!?と話題になった作品です。演出が「あなたが眠っている間に」のパク・スジンPDだからということで、有名俳優なのに義理堅い。
追い詰められ心中に向かう男女の恋愛が描かれる様が切なく。悲壮感より映像の美しさに見とれました。今回のイ・ジョンソクとシン・ヘソンは淡く儚い雰囲気で。
実話ということもあり、出会いから死までの5年間。淡泊で真面目な2人の心情は激動していたんだろうな・・・と思って見ていました。この時代ですし、ちょっと抑えた演技。
全話を通して、「婦人公論」の記者で既婚者の波多野秋子と愛し合い心中した小説家有島武郎へのリスペクトが込められ。有島武郎の軌跡をこの2人も追う形で死を迎えるわけです。
「愛の前に死がかくまで無力なものだとは此瞬間まで思はなかつた」有島武郎遺書
スキャンダルで窮地に陥った有島武郎と波多野秋子が心中。
それを知った2人。スキャンダルだけでなく、家族にも追い詰められたユン・シムドクとキム・ウジンですが、今生では到底結実しない自分たちの愛を死という形で完成させたように思えてなりませんでした。
短編ノスタルジー
1921~1926年のストーリーで、和暦だと大正10~15年。舞台は東京、モダンな建物や髪型・服装が私は好きです。
思想が入り乱れた時代なので、劇作家は作風によって取り締まりの対象でしたね。
特に日本が悪いという描き方ではなく、ほどよい短編で見やすいドラマでした。知っている役者が日本語を話すのが面白かったです。シン・ヘソンは英語も日本語も堪能、調べてもバイリンガルではないから、セリフの練習で語学を習得する努力家なんだと思いました。
死の賛美
「死」と「賛美」という相反する言葉を冠するタイトルに『ギクッ』としましたが、歌のタイトル。
しかも「死の賛美」とは、実話の女性で韓国初の女流声楽家尹心悳(ユン・シムドク)が歌った曲名。そのメロディは「ドナウ川のさざ波」1880年ルーマニアの作曲家ヨシフ・イヴァノヴィチが作曲したワルツです。
歌手だった彼女は日本で歌を収録し、韓国へ帰国途中の船からキム・ウジンと共に身を投げ亡くなりました。有名な歌手の心中事件だったので船上情事、情死だと当時韓国では大スキャンダル。
タイトルも意味深な「死の賛美」←空前の大ヒットだったそうです。
※韓国ドラマ「死の賛美」のモデルとなった歌手↑
「死の賛美」の歌詞を読みましたが「可哀想な人生よ」「刃の上で踊りを踊る」など、虚無感が漂い。
愛を貫く~みたいな歌ではないです^_^;
「人生は悲しい」「世の中は悲しい」という内容は厭世[エンセイ]自殺をほのめかせ、絶望や喪失感満載の叩きつけるような歌詞からは怒りも感じました。
これでは「死の賛美」 というより「生への悪態」です。
キャスト
主要キャスト
ユン・シンドム 25歳→30歳
上野音楽学校で声楽を学ぶ歌手
・父 ユン・ソクホ キム・ウォネ・・・アボジ働けっ!!
・母 キム氏 ファン・ヨンヒ・・・オモニ娘に期待しすぎ
・妹 ユン・ソンドク コ・ボギョル・・・小動物っぽい可愛さ
・弟 ユン・ギソン シン・ジェハ・・・姉に頼りすぎ
シン・ヘソン
他のドラマより美しかったです!
出演作品 「30だけど17です」,「黄金の私の人生」,「ただ一つだけの愛」
キム・ウジン 25歳→30歳
早稲田大学英文科在籍中
・父 キム・ソンギュ キム・ミョンス・・・こういう親いるよねー
イ・ジョンソク
キラキラ系美男子なので現代劇の方が合ってるかも?演技はいつも通り♪
出演作品 「君の声が聞こえる」,「ピノキオ」,「あなたが眠っている間に」,「ロマンスは別冊付録」
チョン・ジョムヒョ
ウジンの家族
パク・ソンイム
美人で上品、よかったです
ウジンの劇団の仲間
・ホン・ナンパ イ・ジフン・・・シンドムが好き?なのかな?
・チョ・ミョンヒ チョン・ムンソン・・・「賢い医師生活」に出ていたあの人!
・ホン・ヘソン オ・ウィシク・・・名脇役がこんなところに・・・
・友田恭介 イ・ジュニ・・・日本人の友達役を韓国人が演じる
最後に
10年以上も韓国ドラマを観続けてきたので、今月は少し休憩して何も観ていませんでした(ポケモンGOをしていたんじゃないのよ)。
心を新たにして、集中しやすい短編ドラマからまた始めようと思います。
このドラマで、今生との別れを決意する心情とはいかほどのものかと考えました。周囲に傷つけられたり、人生は痛々しものであってはいけないなと思います。
状況に流されつつも居心地が悪ければ改善の方法を模索し、自分を守ることも必要で。常に自分のやりたことや居場所は心地良いものにしたいですねー。
死ぬくらいなら海外逃亡とか・・・、
なんなら、現実逃避という方法も・・・それなら韓国ドラマが最適♪
韓国ドラマ「死の賛美」、100年前心中した男女に想いを馳せることで静かに私たちの心を鎮めます。
それにしても、イ・ジョンソクと共演する女性は史上最高に輝いて美しく見えるのは、
あの美貌に負けじとヒロインも気合いが入るからかしらね?
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