患者を一見して病名を言いあてる囚人のヨハンと
医療から逃げているカン・シヨン
医師2人が痛みの先の終末期医療と死に向きあう
チソン×イ・セヨン共演のメディカルロマンス
出典 SBS公式
脚本:キム・ジウン 「ジキルとハイドに恋した私」「清潭洞アリス」
演出:チョ・スウォン 「君の声が聞こえる」,「ピノキオ」,「30だけど17です」、
キム・ヨンファン「恋するシャイニング★スター」
原作 「神の手」幻冬舎文庫 久坂羊著 ( 医師・作家 )
医師 ヨハン (全16話)
★★★★★☆☆ 星5
韓国放送 2019年7月〜9月 SBS
韓国語表記 의사 요한
原題 「ドクタールーム」→「医師 ヨハン」
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ネタバレなし
あらすじ
チョンイル刑務所に服役中のチャ・ヨハン(チソン)は、刑務所内で病人がいれば医官や医師より先に正確な病名を言いあてる、優秀な元医師。
彼のせいで医官がやめ、仕方なく所長は亡き友人の娘で休職中レジデントのカン・シヨン(イ・セヨン)をアルバイトで雇うことに。
ある日、仮病を繰り返すと評判の受刑者が医務室へはこばれてくる。
仮病ではないと見抜いたヨハンは、シヨンに「腎臓の検査をすべき」とつげる。しかし、シヨンは受刑者としか知らないヨハンの言葉を半信半疑。病院で医師のイ・ユジュン(ファンヒ)にヨハンの診断を伝え、2人は検査でそれが的確だったと知る。
その後、ソウルハンセ病院ペインクリニック科で、ヨハンとシオンとユジュンが同僚となり、さまざまな難病と向きあうことに。
ヨハンの事件を担当した検事のソン・ソッキ(イ・ギュヒョン)はヨハンが復職したことを知り、当時の看護師チェ・ウンジョンとともにヨハンを警戒する。
(2020.そら豆)
感想
チソンは囚人服より白衣が似合う。
多重人格者「キルミー ヒールミー」、刑務所の囚人「被告人」、ヘタレな夫「知ってるワイフ」。
なんでもサマになる七変化俳優チソンが、今回は白衣に身を包みカッコイイ天才医師役。彼が主演なだけでどんなドラマも面白くなる不思議。
あれこれ詰め込まず、医療・・・特に痛みを伴う難病に特化したストーリーで、いつもの韓国ドラマと比較すると、なるい 優しいドラマです。
立派な新しい病院が舞台で、最初『キレイな医療もの〜』と見ていましたが。
テーマは安楽死。
植物状態に陥った人の延命についてなど、ドラマで扱うにはかなりデリケートな重いテーマ。
死の恐怖と痛みで早々に世を去りたい人の望みを叶えることへの賛否。ドラマは批判を恐れて?そこはやんわり逃げ道を作ってある印象でした。法律で安楽死を認める危険性にふれますが、脚本は賛成でも反対でもなく、あくまで中立。
いろんな場合を想定して【もしあなたがこの患者ならどう感じますか?】と投げかけている風体です。
安楽死についてもっと深く切り込むのかと期待していたけど、そこは曖昧にして恋愛要素などを入れてあり。ロマンス好きのそら豆でも『あれ?』と思いました。
ヨハンとシヨンはフィーリングが合い。誰にでも呼吸を合わすチソンのお陰で年齢差が気にならずケミは良かったです。
重いテーマを軽く流してスイスイ見やすいドラマに仕上げてありました。
ペインクリニック科が舞台だけあり、医師はさまざまな痛みと向き合い。
原因不明の痛みに出会った時に出し合う知識や技術、患者を救えない無力感が切実に描かれ。 この世にこんな病気があるのねという理解と、医師たちへの尊敬が深まりました。
ところで・・・・
そら豆も腰が痛いのですが?
医師ヨハンの診断 トントントン チーンッ
「韓ドラの見過ぎです」(´・ω・)ザンネン
ペインクリニック科
ドラマの舞台はソウルハンセ病院ペインクリニック科。
そら豆には聞き慣れない科でしたが、検索すれば日本中にありました。
疼痛[トウツウ](=身体の痛い)を緩和させる治療を行っています。
ペインクリニックとは?
ペインクリニックは、主として疼痛を主訴とする疾患の診療部門であり、神経ブロックによる治療を中心に行う。基本的には麻酔科医が行う。
ヨハンとシオンのチームは、痛みを治療する専門家ってことですねー。
痛みに由来する知らない難病などが出てきて勉強になりました。
原作は日本の小説 “神の手”
この「神の手」は、助ける医師の手とは逆の安楽死させる医師の手という意味。医療の裏側で暗躍する組織が怖くてリアル。患者を苦痛から解放させるだけではない安楽死の現実問題。現役医師で作家の久坂部羊さんが描いたミステリー小説です。
安楽死させる神の手っていうのは皮肉です。
WOWOWでドラマ化も
日本ドラマ「神の手」
日本放送・・・2019年6月~ WOWOW
キャスト・・・椎名桔平、杉本哲太、矢島健一、明星真由美、近藤正臣、鈴木砂羽
ジャンル・・・医療サスペンス
こちらは視聴してませんが、ストーリーのあらすじを読んだ感じでは日本ドラマの方が小説に近く。安楽死に切り込んだ内容で面白そうです。
韓国ドラマは原作とは全然違う内容になっていました。
安楽死のニュースが・・・
「医師 ヨハン」後半視聴中流れたニュースに驚きました。
ALS患者の依頼を受け安楽死を実行した2人の医師が嘱託殺人で逮捕
事件が波紋を呼んでいます。患者自身が望んだ安楽死。
・動けない人に死ぬ権利はないのか
・死を待つ動けない病人すべてが尊厳死を望んでいるわけではない
ただ「楽になりたいのね」という考え方で軽~く安楽死を手伝うことが、尊厳死(延命治療をやめる)と同じなのか?
ヨハンなら死にゆく相手に思いやりがあったけど。医学の進歩で今後助かる可能性もあるのでは?など。
ニュースや世論がちょうどドラマの安楽死とシンクロして。関連記事を読んではいろいろ考えました。
ただ、「医師 ヨハン」 や「神の手」を見た人は、簡単に『安楽死に賛成』なんて言えなくなると思います。
キャスト
チャ・ヨハン チソン
囚人→ハンセ病院ペインクリニック科 10秒で病名を言い当てる天才医師
チソン 年齢43歳 身長178㎝
真剣な優しい目とソフトな話し方に説得力があり、すっごく魅力的なカリスマ医師。チソンの未視聴ドラマを観たくなりました。(そら豆ただ今チソン中毒です)
出演作品 「ニューハート」, 「秘密」,「キルミー ヒールミー」,「被告人」,「知ってるワイフ」
カン・シヨン イ・セヨン
ペインクリニック科のレジデント 優秀だけどトラウマがある
イ・セヨン 年齢27歳 身長162cm
「花遊記」のゾンビがハマり役で(^_^; 私はまだ引きずってますが、ドラマ後半でようやく可愛い女性に見えました。この若さでチソンの相手役ってすごくない?
2019年SBS演技大賞受賞 カン・シヨン役
出演ドラマ 「花遊記《ファユギ》」,「王になった男」
出典 韓国サイト jjan.kr/news
ソン・ソッキ イ・ギュヒョン
ソウル南部地検検事 ヨハンを見張っている
イ・ユジュン ファンヒ
ペインクリニック科のフェロー 一見優男なのに侠気がある
カン・ミレ チョン・ミナ(子役出身)
シヨンの妹でペインクリニック科のレジデント 意外と優しい
ミン・テギョン キム・ヘウン
シヨンの母、ペインクリニックの科長 ロマンスグレーの美人!
カン・イムン オム・ヒョソプ
ハンセ病院の院長
ハン・ミョンオ キム・ヨンフン
ハンセ病院の法務チーム、弁護士
相関図
ペインクリニック科の医師と看護師
ホ・ジュン(クォン・シヒョン)・・・レジデント
キム・ウォニ(オ・ヒョンジュン)・・・レジデント
ホン・ヨンジン(ソン・サン)・・・看護師
ナ・ギョンア(イ・ユミ)・・・看護師
出典 SBS「医師 ヨハン」
最後に
評価★5面白かった。演出が凝っていて面白くササーーーッと観終わりました。ただ、脇キャストやOSTなどは韓国ドラマの普通で特に記憶に残らなさそうです。
ネタバレなしブログで何も言えませんが、視聴後なんかスッキリせず…もやっとしています。
原作の主旨は安楽死。
韓国ドラマは死より痛みのコンセプトが幅を占め。恋愛など、原作にかなり手が加えられた脚本でした。
よく「Dr.JIN」※の二の舞にならなかったな…。
※「Dr.JIN」・恋愛要素を入れた韓国リメイクに原作者が納得せず、当時日本放送では兄妹設定に編集されていました(こんなところまで読んでくれてありがとうございます)
たくさんの臨終を見届けてきた医師の死生観は常人とは違うだろうし、セリフで「完璧な医療はありません」と言っていたけど。
誰もが死に対する恐れだけは忘れてはいけないと思いました。
病院の権力抗争などではなく、身体の痛みや終末期医療にご興味のある方におすすめのドラマです。
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