極寒に美しく咲き誇る「椿《ドンベク》」の名を持つ女性と
うっかり警察官になった実直な芋男とのラブコメ ヒューマンスリラー
2019年 KBS演技大賞で12冠獲得の韓国ドラマ超話題作
2020年 百想芸術大賞 受賞作品
出典 KBS公式サイト
演出 チャ・ヨンフン「キミはロボット」、「むやみに切なく」
脚本 イム・サンチュン 「サム、マイウェイ」
原題 椿の花が咲く頃、邦題 椿咲く頃
椿の花咲く頃(全20話)
★★★★★★★ 星7つ 満点
韓国放送 2019年9月~11月 KBS
韓国語表記 동백꽃필무렵
視聴方法 Netflix
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ネタバレなしのつもり
あらすじ
未婚の母ドンベク(コン・ヒョジン)は、小さな港町“オンサン(←地名)“でスナック【カメリア】をオープンする。店主が若くて綺麗な女性と知った男たちの間でたちまち評判に。
2013年5月に開店してから【カメリア】は繁盛し順調に経営を続けた。閉鎖的なこの町に馴染もうとドンベクは日々努力したが、女住民たちからは批判を浴びる。
それから6年がたち、ドンベクの息子8歳のカン・ピルグは野球が得意な少年に成長。
そんな母子の前に、正義感だけがとりえの愚直な芋男ファン・ヨンシク(カン・ハヌル)が現れる。ドンベクに一目ぼれした彼は、すぐさま【カメリア】の常連に。
一方、有名な野球選手カン・ジョンリョル(キム・ジソク)は、幼い娘と水族館でイルカ見学の番組に出演し子煩悩ぶりで有名。家では自称モデルの子育てにまったく興味がない浪費家の妻に辟易していた。“オンサン“に撮影に来ていたそんなカン選手がドンベクと出会う。
ある日ヨンシクは【カメリア】の壁に書かれた一筆を発見し、ドンベクがある過去の未解決事件に関わっていたと知る。不安な彼女を安心させたい一心で、彼は警察官として犯人特定にのり出す。
(2020.そら豆)
感想 抜群の世界観に夢中
面白くてあっという間に観終わりました。
ヒロインドンベクが経営するスナック【カメリア】は英語で「椿」のこと。
慎み深く優美な花「椿《ドンベク》」の名の通り、はにかむ様子がいじらしく可愛い女性をコン・ヒョジンが演じます。
他の花が鳴りを潜める真冬、美しくひかえめに蕾がほころび咲き競う椿。さみしい枯れ並木にひっそりとたたずむ花に人々は目を奪われます。ドンベクは、正にそんな椿の花のような魅力を持つヒロインでした。
舞台の中心となるのは、小さな干物倉庫を改装した窓もない小さなスナック【カメリア】。そこは、エビ、カニなどの甲殻類[コウカクルイ]や魚貝類があがる漁港を中心に栄えた港町にあり。通りに建ち並ぶ飲食店などの店主同士は全員知り合いという、横の絆が強い土地柄です。
海を望む高台からは湾岸が見渡せ、情緒的な風情が漂う町なみに独特の方言がマッチし、ドラマのイメージにぴったりの背景。そこに登場人物たちが住民として見事に息づいていました。
そんな全てが、魅力的な「椿咲く頃」の世界観です。
ストーリーは、柔らかいぬるま湯に浸る心地よさに包まれ。まったり視聴していると時々熱湯や冷水が飛んでくるような衝撃があり。韓国ドラマを観ながら寝てしまうそら豆が、数年ぶりに寝る間を惜しんで視聴しました。
私は、★7つドラマ候補は電気を消して暗闇で集中視聴するのですが。それでも目が冴えて早朝まで観てしまい、お陰で寝坊、お弁当は冷凍パスタという始末。Sorryそら豆家族、このドラマが良かったせいだ。
でも、期待し過ぎは禁物です。他の韓国ドラマと比較しても地味なストーリー、好みではない方もいらっしゃるでしょう。あくまでもこれは、好きなキャストが揃っていたそら豆の感想です。
オンサンってどこ?
ドラマの舞台となる“オンサン”という町は架空で韓国には存在しません 。
港町の撮影場所は、九龍浦[クリョンポ]。
韓国東南部・浦項(ポハン)東部に位置する漁港。
名産・・・クァメギ(サンマの生干し)、ズワイガニなど
ドラマでもカニなどの海産物がよくでてきました。この風景と町並みも、味のある数々の名シーンを作りだした材料の一つです。
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キャスト
※2019 KBS演技大賞12冠受賞詳細記載
※俳優女優、身長と年齢は2020年現在
主要キャスト3人
ドンベク役 コン・ヒョジン 大賞&BESTカップル賞
27歳→33歳のドンベク、7歳から孤独だったが今は愛する息子と2人暮らし。幸運などこないと達観。「スナックとは飲食店だ」と主張し客の隣りでお酒を注いだりはしない。
コン・ヒョジン 身長172㎝ 年齢39歳
演じる中でキャラを見事に成長、昇華させる韓国随一の女優。表現力に優れ、演じた役は彼女以外考えられないとなる独自性。
最初平凡な容姿が、心情をさらけ出す多彩な表情を見ている内に…ドラマ終盤では『なんて、キレイな女優なんだ!!』となる。モデル時代の体型を維持しているのも素敵です。
ドンベクも『コン・ヒョジン以外に考えられない』独特な女性。
ファン・ヨンシク役 カン・ハヌル ネチズン賞&BESTカップル賞
正義感が強く警察官になれた。愚鈍で直情的、取り柄は優しさと優れた野生的な直感だけ。そんな彼が恋に落ちるとどうなるのか…?
カン・ハヌル 身長181㎝ 年齢30歳
と言えば「未生-ミセン-」←あんなメガネ優等生ではなく。「麗[レイ]~花萌ゆる8人の皇子たち」←こんな落ちついた八皇子とも別人。今回も『誰、これ?』ってくらい全く別の面白いキャラをつくりあげていました。
歯切れのよい話し方で、年齢さえもあやつるほどの演技力がずば抜けたカメレオン俳優。カン・ハヌルの才能で出演作品は全てヒット。2019年5月除隊後の復帰作。
出演作品 「モンスター~私だけのラブスター」「失踪ノワールM」「パンチ」
カン・ジョンリョル役 キム・ジソク 男性優秀賞
スポーツカーを何台も所有する、韓国のスター野球選手。抱っこひもで娘を溺愛する様子が放送された有名な育児パパ。家では妻の育児放棄が悩みの種。
キム・ジソク 身長182㎝ 年齢38歳
「トップスター・ユベク」、「2度目のファーストラブ~20世紀少年少女」では主役でしたが。今回の立ち位置で本領発揮。カッコイイけど情けない。
その他重要キャスト
カン・ピルグ役 キム・ガンフン 青少年演技賞
ドンベクの愛息子8歳。友達にからかわれても、大好きな母親を守りたい。優等生ではない気だるげな野球少年だが、怒ると火の玉BOYに。
キム・ガンフン 年齢10歳
このドラマを成功させた立役者。少年ピルグが演技だなんて・・・未だに信じられない、鳥肌もの。今後注目の天才子役。
出演作品「ホテルデルーナ」「ミスターサンシャイン」
ヒャンミ/本名チェ・ゴウン役 ソン・ダムビ 女性新人賞
スナック「カメリア」のアルバイト。客と同席し自分にもお酒を注いで飲む。ドンべクとピルグにとっては家族同然。盗み癖がある。
ソン・ダムビ 身長 168cm 年齢36歳
怖いくらい役そのものでした。
ノ・ギュテ役 オ・ジョンセ 男性助演賞&BESTカップル賞
ホン・ジャヨン役 ヨム・ヘラン 女性助演賞&BESTカップル賞
スナック「カメリア」の店舗を貸しているビルオーナー夫婦。
夫のノ・ギュテは虚栄心が強く、郡長になる予定(?)で根回しに余念が無い。
妻のホン・ジャヨンは有名大学卒の才女で離婚専門弁護士。←脇で一番好き♪
この2人も演技派でした。
ジョンスク役 イ・ジョンウン 女性優秀賞
ドンベクの母親。この方に関してはネタバレが怖いので何も言えませんが、本当に素晴らしい演技でした。よくドラマで主役やヒロインの母親役を演じている女優です。
イ・ジョンウン 身長165cm、年齢50歳
出演作品 「まぶしくてー私たちの輝く時間ー」、「知ってるワイフ」 、「あなたが眠っている間に」
ジェシカ役 チ・イス
野球選手カン・ジョンリョルの妻で自称モデル。家庭より、インスタ映えな生活やステイタスが大事。SNSではインフルエンサーだけど…。
チ・イス 身長171㎝、年齢28歳
ドクスン役 コ・ドゥシム
“オンサン“の町内会の会長で、ファン・ヨンシクの母親。カニの醤油漬けケジャン店の店主で息子3人を女手一つで育ててきた。
コ・ドゥシムが出演するだけで期待が高まる、そしてそれを裏切らない。
脚本家 イム・サンチュン 作家賞
他のキャストも素晴らしかった
出典 韓国サイト gpkorea.com
キム・ソニョンをはじめ、オンサンのケジャン通りにある餅屋などのおばちゃん達がたくましく、頼もしかった。
OSTと椿ロス
視聴後もドラマの曲がぐるぐる回って映像が頭から抜けません。
これが噂の椿ロス。
そら豆の脳内リピート曲↓
前半の動画だけでネタバレなし
椿ロスのあまり、あのCMが流れるたびに釘付けになってしまうそら豆…(注意・それシャンプー by資生堂-TSUBAKI)。
眠くても…(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)椿!?
これではしばらく仕事と家事が手につきません!!(韓国ドラマとポケモンGOは手につく不思議ね)
最後に 椿事[チンジ]つづきの人生だから
スナック【カメリア】の看板下に灯る「あなただけを愛してます」という言葉に客足が向くのは、店主ドンベクの優しい笑顔との相乗効果。【カメリア】にいる間は愛され、労[イタワ]られ、許されるような気持ちになるからだと思いました。この店が繁盛する事情は他にもありますが…。
椿事[チンジ]とは、珍事と同義語です。意味は珍しい出来事や、思いがけない重大な出来事。韓国語とはニュアンスが違うとは思いますが、このタイトル…椿事とかけてあるのかな?と思いました。
ドンベクは、驚く別れや出会い、スリラーな緊張感が走るような椿事つづきの人生だからこそ得られたこともあったわけで。
そんな全てが輝き際立つ脚本には夢中になりました。ストーリー展開の繋ぎ方が美しく、次話を追わずにはいられません。
ヨンシクはカン・ハヌル、ドンベクはコン・ヒョジン、ピルグもキム・ガンフン以外考えられない。登場人物全員が役そのもので、現実世界を覗いているような臨場感が港町「未生-ミセン-」 って感じです。
音楽の心地よさに完璧な演出が抜群、そら豆は文句なしに満点。即名作ドラマ指定しました(←名作カテゴリーに入れただけ)。
ところで、ドラマにスマホが出てこなくて携帯電話はガラケー使用。
これいつの時代??と思いきや、2019年現代の話でした。韓国の田舎はまだガラケー使っているのかしらねー。(ドラマの演出だよ)
出典 KBS公式サイト
追記・2020年百想芸術大賞4冠達成!
・ドラマ部門大賞
・テレビ部門の最優秀演技賞 カン・ハヌル
・助演賞 オ・ジョンセ
・脚本賞 イム・サンチュン
ちなみにキム・ソニョンは、「愛の不時着」で助演女優賞を受賞
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